メインイメージ

いろんな味を覚えることの大切さ

私達のいる町ではこども会でのイベント活動が、割と盛んに行われています。数年前のことですが、その活動の一つで、未就学児から小学生までの子供達が親子で地引網を引くというイベントがありました。朝早く、みんなで浜に行き、漁師さんの指導の下、みんなで網を引いて、掛かった魚を捕まえるのです。そして、漁師さんが用意してくれた鍋料理をみんなでいただくという流れでした。

漁師鍋とでもいうのでしょうか、登場したのは網にかかった魚だけでなく、漁師さんがあらかじめ用意しておいてくれたカニや、大きな魚など様々な海の幸と、たくさんの野菜が入ったスペシャルメニューです。

どの子もみんな美味しそうに旨味たっぷりのお味噌汁を味わっていたのですが、そのなかで一人だけ全く食べようとしない子がいました。その子はまだ1年生だったのですが、お母さんはお仕事の都合で参加せず、町内の他の保護者が面倒をみるから、という条件で参加していたのです。

どうしてこんなに美味しいものを食べないのかと尋ねてみると、
「こんなの、食べたことが無いからいらない。」
と言うのです。
「美味しいよ。ちょっと食べてごらん。」
と半ば強引に勧めると、やっと一口食べたのですが、美味しいと感じたのか、それからは、どんどんそのお味噌汁を食べていきました。

特にカニを食べたのは初めてだったそうなのですが、とても美味しかったと言うので、
「魚屋さんで買ってきたカニを茹でて、お味噌を入れるだけでカニのお味噌汁ができるよ。カニの旨味が出るから、ダシも何もいらないよ。」
と、簡単に作り方を教えてあげると、その子は
「家でもやってみる。」
と、にっこり笑っていました。

この子は、普段から好き嫌いが多く、食べる物が他の子に比べると、かなり偏っていました。聞くところによると、家の事情で食事は出来合いの物が多く、お家ではあまり手作りのご飯を食べることが無いそうです。とても可愛そうな例なのですが、小さな頃からいろんな味を知らずに育ったため、味覚が乏しいように思えてなりませんでした。

どんな子でも少なからず、好きな味と嫌いな味があるでしょう。でも、いろんな味を知れば、好みではない味があっても別の味を求めるでしょう。もっと美味しい物を食べたいと、いろいろなものを食べてみようという心も芽生えます。

「甘い」「辛い」「しょっぱい」「酸っぱい」「苦い」「旨い」といったいろいろな味を小さい時から知ることは、とても大切だと思います。子供達の好き嫌いを直すことや、どんな物でも美味しく食べることの根本には、愛情のこもった豊かな食生活が必要不可欠なのではないでしょうか。

忙しいけど家族のために作りたい…そんなあなたには10分でできる本格手料理キット


スポンサーリンク

誰かの役に立つ内容であれば共有をお願いします!

Copyright© 2010-2016 新米パパ目線での妊娠~出産~育児の記録 All rights reserved.